疑義照会・ヒヤリ・ハット集計

疑義照会とヒヤリ・ハット事例TOPイメージ

 

ここでは、日本医療機能評価機構の2015年薬局ヒヤリ・ハット事例・分析データ等をもとに薬剤師の疑義照会と医師の処方権の関係をはじめ、薬剤師法と医師法等を含め全体像をデータからチェックしてみました。

 

 

疑義照会とは

  • 薬剤名は合っているか
  • 処方せんに不備はないか
  • 容量・用法は適正か
  • 副作用や薬物アレルギーの疑いはないか
  • 同一・類似成分を含む薬の重複はないか
  • 飲み合わせは大丈夫か

 

薬剤師法第24条(処方せん中の疑義)
薬剤師は、処方せん中に疑わしい点がある時は、その処方せんを交付した医師(歯科医師又は獣医師)に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによつて調剤してはならない。

薬局ヒヤリ・ハットと疑義照会の集計

薬局ヒヤリ・ハット事例と疑義照会事例の推移を5年間(2011年〜2015年)のデータで見てみましょう。
疑義照会とヒヤリ・ハット事例5年間グラフ

 

 

2011年

2012年

2013年

2014年

2015年

ヒヤリ・ハット事例

8,082

7,166

5,820

5,399

4,779

疑義照会の事例

601

730

782

789

1,040

割合

7.4%

10.2%

13.4%

14.6%

21.8%

※出典:日本医療機能評価機構
※グラフと表は当サイト編集部で作成

 

上記データを見ると、ヒヤリ・ハット事例は5年前に比べて59%に減少したのに対して、疑義照会率は2.9倍に増加している。

 

薬局ヒヤリ・ハット事例
2011年(8,082件)⇒2015年(4,779件)

 

疑義照会率
2011年(7.4%)⇒2015年(21.8%)

 

疑義照会率、処方箋変更率
東京理科大学薬学部鹿村研究室が平成25年7月に実施した調査データでは下記のようになった。
・疑義照会率は2.74%*
・薬学的疑義照会による処方変更率は74.88%(4758枚)

 

* 処方箋応需枚数を分母とした件数ベースの疑義照会率
対象:全国薬局の中からランダムに抽出した5,630薬局/回答率は14.7%。
出典:全国薬局疑義照会調査報告書より

 

処方箋と薬剤師イメージ

疑義照会による処方変更内容

2015年の疑義照会による処方変更の内容を多い順から見てみましょう。
処方変更内容グラフ

 

 

処方の変更内容

2015年

割合

薬剤変更

362

34.8%

薬剤削除

270

26.0%

分量変更

158

15.2%

その他

112

10.8%

用法変更

82

7.9%

用量変更

56

5.4%

合  計

1,040

100.0%

※出典:日本医療機能評価機構
※グラフと表は当サイト編集部で作成

薬剤師の疑義照会による処方の変更内容については、(1)薬剤変更362件、(2)薬剤削除270件、(3)分量変更158件と、ここ5年間同じように推移している。

 

薬剤師の疑義照会によってチェックされた医師の処方ミスも多いと考えられる。疑義照会の報酬は患者と国庫が負担しているとのこと。
・年間の処方箋枚数:約 8億枚
・疑義照会率:約2.75%だと約2,200万枚になる。
医師の処方ミスをチェックする疑義照会は、薬剤師にとって医師に対する心理的な重圧・負担・気遣いは結構大きいという話もあるようだが、患者にとっては、重要な安全対策だ。薬のプロフェッショナルとしてぜひ頑張ってもらいたいと思う。