リフィル処方箋と医薬分業|医師会と薬剤師会

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ここでは、医薬分業率と処方箋発行枚数をはじめ、薬局数と処方箋枚数年次数位、日本では未導入のリフィル処方箋のメリット・デメリットや日本医師会と日本薬剤師会との関係等についてまとめてみました。
(関連キーワード:医療費削減、調剤報酬改定、ジェネリック医薬品 等)

 

 

医薬分業率68.7% 処方箋約8億枚発行

医薬分業率の推移を処方箋発行枚数と合わせて見てみましょう。

処方箋発行枚数と医薬分業率

医薬分業率の推移
※グラフをクリックすると拡大
※出典:厚生労働省保険局医療課資料

医薬分業が本格的に国内でスタートした1974年(昭和49年)から40年を経過して医薬分業率はどんどん加速しているとグラフから読み取れます。
平成26年度(2014年度)

  • 医薬分業率:68.7%
  • 処方箋発行枚数:約8億枚

 

※医薬分業率(%)の計算式
医薬分業率(%)= 処方箋枚数(薬局での受付回数)÷{(医科診療入院外日数×医科投薬率)+(歯科診療日数×歯科投薬率)} × 100
※出典:厚生労働省保険局医療課

薬局数と処方箋枚数の推移

国内全体の薬局数と処方箋発行枚数の年次推移を見てみましょう。

薬局数と処方箋枚数の年次推移

薬局数と処方箋枚数グラフ1

 

 

次に薬局数と薬局1軒あたりの処方箋枚数の年次推移をご覧ください。

薬局数と薬局1軒あたりの処方箋枚数の年次推移

薬局数と処方箋枚数グラフ2

処方箋枚数は年々増加して合計約8億枚になっている。
薬局数は2010年(平成22年)減少するも翌年から再び増加に転じている。
薬局1軒あたりの処方箋枚数は2010年から減少に転じている。
薬局数の増加が処方箋枚数の増加を上回っているようだ。

リフィル処方箋のメリット・デメリット

医師が指定する期間内ならば再診に行く必要がなく、保険薬局で薬を受け取ることができるので患者側にとっては一見、便利のように思えるが、現在のところ国内での導入はまだ決まっていない。

 

リフィル処方箋とは
患者が医師の再診を受けずに最初の処方箋で繰り返し薬を受け取れるシステムのこと。分割調剤とは異なる。

 

分割調剤とは
長期の投薬が必要な場合に、長期保存が困難な薬剤など医薬品について、患者は1枚の処方箋の薬を複数回に分割して受け取ることができる。

 

リフィル処方箋メリット
・患者が病院に再診に行く手間が省ける。
・医療費の削減・節約(診察・処方代・再診療)
・経過観察や服薬指導といった、患者の対応に時間を使える。

 

リフィル処方箋デメリット
・経過観察を怠ると、患者の状態悪化に気付けない可能性がある。
・医薬品の転売に悪用される可能性がある。
出典:薬キャリPlus+、ウィキペディア

処方箋イメージ

各国のリフィル処方箋導入状況
アメリカやイギリス、フランス等は既に導入されているが、日本では現在のところ導入はされていない。
【リフィル処方箋導入済み】
アメリカ/フランス/イギリス/オーストラリア/カナダ/フィンランド

 

【未導入】
ドイツ/日本

 

 

リフィル処方箋について医師会・薬剤師会の反応

 

医師会の反応

 

リフィル処方箋導入に対して各団体の反応

  • 日本医師会は反対(議論する状態にない)
  • 日本薬剤師会は導入に賛成
  • 健康保険組合連合会は賛成(医療費抑制)

 

 

政府の規制改革実施計画では早急な議論と判断が迫られたがストップした。その背景には医薬分業があるようだ。服薬管理は処方権のある医師が担当。薬剤師は服薬指導を担当。また、それ以外に調剤報酬改定、ジェネリック医薬品の普及、薬局業界の急成長の関係もあるとも言われているようです。
出典:厚生労働省 中央社会保険医療協議会総会資料

 

国民医療費総額と調剤医療費の年次推移

薬局業界の急成長に関係する調剤医療費について厚生労働省の医療費データから見てみましょう。

国民医療費総額と調剤医療費の年次推移

国民医療費と調剤医療費グラフ
※グラフをクリックすると拡大
※出典:厚生労働省保険局医療課資料

国民医療費総額と調剤医療費の年次推移
2014年(平成26年)
処方箋枚数:約8.1億枚

 

国民医療費総額:約40兆円
・入院:16兆円
・入院外:13.8兆円
・歯科:2.8兆円

 

調剤医療費:7.2兆円
・薬剤料:5.4兆円
・技術料:1.8兆円

 

調剤医療費の増加分の殆どは薬剤料。
院外処方への切り替えによって、入院外に計上されていた薬剤料が調剤医療費に振り替わった為。
出典:厚生労働省保険局医療課