診療報酬改定率の推移|医師求人ランキング

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診療報酬改定率の推移を厚生労働省のは発表データをもとに2000年〜2016年まで、当サイト編集部でグラフと表でまとめました。自民党政権時と民主党政権時の改定率も合わせて見てみましょう。(※民主党:2016年に維新の党が合流し、民進党に改称)

 

診療報酬とは
医療保険の適用を受けて行われた医療行為の対価として病院が取得する報酬のこと。医師の医療行為、薬剤師の調剤技術料、処方された医薬品、医療行為に伴って行われた検査費用も診療報酬の中に含まれる。医療行為ごとに診療報酬点数が、厚生労働省に決められている。計算は、1点が10円で、患者の支払い分と健康保険組合分に分けて請求される。日本では、中央社会保険医療協議会の答申により診療報酬は決定される(健康保険法第82条)。改定は原則として2年に一度行われる。
出典:ウィキペディア 他資料

 

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診療報酬改定率(2000年〜2016年)

医療現場がその比率の増減に一喜一憂するのが、2年毎に改定される診療報酬改定率ではないでしょうか。まずは、診療報酬改定率の推移を2000年〜2016年までグラフと表でご覧ください。

 

■診療報酬改定率の推移(2000年度〜2016年度) 単位:%
診療報酬改定率グラフ

 

■診療報酬改定率(改定時の政権記載) 単位:%

改定年度 診療報酬本体 薬価等 全体改定率 政権
2000年度 1.90 -1.70 0.20 自民党
2002年度 -1.30 -1.40 -2.70 自民党
2004年度 0.00 -1.00 -1.00 自民党
2006年度 -1.36 -1.80 -3.16 自民党
2008年度 0.38 -1.20 -0.82 自民党
2010年度 1.55 -1.36 0.19 民主党
2012年度 1.379 -1.375 0.004 民主党
2014年度 0.73 -0.63 0.10 自民党
2016年度 0.49 -1.33 -0.84 自民党

※出典:厚生労働省 ※グラフと表は当サイト編集部で作成

【2000年〜2008年】自民党政権での診療報酬改定
全体の診療報酬改定率が上記データように、マイナスが続き、病院経営が非常に厳しい時代とも言われた。

 

 

【2010年・2012年】民主党政権での診療報酬改定
診療報酬本体の改定率は2回ともプラス(2010年:1.55%、2012年:1.38%)と自民党時代と比べると大幅にアップした。そのため、勤務医の評価アップにつながり、病院自体の経営も改善され始めた。
※民主党政権:2009年9月16日〜2012年12月26日(3年3ヶ月)

 

 

【2014年・2016年】自民党第2次安倍政権での診療報酬改定
再び自民党政権に戻ったために医療現場では、診療報酬改定率が厳しくなるのではないかと懸念された。診療報酬本体の改定率は、2014年度(+0.73%)、2015年度(+0.49%)であったが、全体の実質改定率は2回ともマイナスになる。※下記データ参照
日本医師会の政治団体である日本医師連盟から自民党公認候補が2016年の参議院選挙で当選した。

 

※2012年12月26日(公明党と3年ぶりに政権復帰)
※2012年9月26日の自民党総裁選挙にて安倍総裁誕生

 

2014年・2016年の診療報酬・実質改定率

自民党が政権復帰してからの2014年は消費税増税、2016年は薬価の見直し、市場拡大再算定の特例などが追加された年でした。

 

【2014年診療報酬改定/消費税増税】
2014年4月消費税が8%(+3%)になるため、増税の仕入コスト増加分を下記のように補填した。
■診療報酬の実質改定率 (単位:%)

2014年 改定率 うち補填分 実質改定率
診療報酬本体 0.73 0.63 0.10
薬価等 -0.63 0.73 -1.36
全体の改定率 0.10 1.36 -1.26

 

 

■消費税の補填分
本体(0.63%) +薬価等(0.73%)=1.36%

 

全体の実質改定率
全体の改定率(0.1%)−(補填分1.36%)=(実質−1.26%

 

2014年は、日本医師会等が診療報酬率プラス改定を要求、財務省は総額での削減を、と両者の綱引きの結果が上記の調整した数字になったと思われます。

 

 

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【2016年診療報酬改定/ 薬価の見直し等】
■2016年実質診療報酬改定率

全体の改定率 -0.84
市場拡大再算定による薬価の見直し -0.19
市場拡大再算定の特例 -0.28
実質改定率 -1.31

 


※厚生労働省の記者発表では、市場拡大再算定の特例−0.28%を含まず、ネット改定率は−1.03%になっています。

(A)診療報酬(本体) +0.49%

  • 医科 +0.56%
  • 歯科 +0.61%
  • 調剤 +0.17%

 

(B)
(1)薬価改定 :−1.22%
(2)材料価格改定: −0.11%
(3)市場拡大再算定による薬価の見直し:−0.19%
(4)市場拡大再算定の特例の実施:−0.28%

 

(1)〜(4)合計:−1.8%
(A)−(B)実質改定率は−1.31%になる。

 

※厚生労働省の説明を見ると、(4)を全体の改定率の計算から外しているため、全体の実質改定率は−1.03%になります。

 

2016年度の診療報酬改定の削減のポイントは薬価と言えるでしょう。次の2018年度は、診療報酬と介護報酬の同時改定になるのでより重要な改定年となる。社会保障・税一体改革成案のゴール2025年に向けた最大の焦点と言える。

 

 

【2016年診療報酬改定についてキーマンのコメント(抜粋)】
■塩崎恭久・厚生労働大臣
診療報酬の改定率につきましては、厳しい財政事情でありますが、医療機関の経営状況や医療従事者の方々の賃金動向などを考慮した結果このようになりました。また、診療報酬、薬価等に関する制度改革につきましては、医薬品価格の適正化、いわゆる大型門前薬局などに対する評価の適正化、経腸栄養用製品に係る給付の適正化などの措置を講ずることといたしました。

 

■横倉義武・日本医師会会長
今回のプラス0.49%は少し厳しいが、国の財政全体を考えると、医療崩壊が起こらないよう配慮されたギリギリ合格点。薬価改定財源の半分以上が本体に充当されなかったことは極めて残念なこと。

 

※出典:厚生労働省、日本医師会

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