【厚生労働省】看護師の日雇い派遣2021年4月容認へ

「看護師の日雇い派遣」についてTOPイメージ

 

今回のテーマは「看護師の日雇い派遣」について。医師との医療に欠かせない看護師。その看護師の日雇い派遣について、厚生労働省は政令を改正し、令和3年(2021年)4月から容認することになった。日本看護協会の2020年11月25日時点での意見と合わせて見てみよう。
出典:NHKニュース(2021年2月21日)、日本経済新聞(2021年2月18日)

 

 

看護師日雇い派遣が容認される理由

看護師の日雇い派遣が容認される理由

 

(1)労働者派遣法では労働契約が30日以内の日雇い派遣を原則禁止しているが、慢性的な看護師不足が続く中、職場では人員確保が大きな課題となっている。

 

 

(2)新型コロナウイルスの影響で全国の介護施設や障害者施設などでは看師のニーズが高くなっている。

 

 

(3)看護師側から、潜在看護師(結婚や子育て等を理由に離職した看護師)を中心にフルタイムではなく短時間でより柔軟な働き方を望む声が多かった。

 

出典:NHKニュース(2021年2月21日)

 

 

医療施設・福祉介護施設で働く医師・看護師イメージ

日本看護協会の意見(2020年11月25日)

看護師の日雇い派遣や短期派遣について、日本看護協会はどう考えているのかを、2020年11月25日に公表した資料から見てみよう。

 

日本看護協会の意見(要旨)

日雇い派遣には雇用管理上の問題が懸念され、積極的には賛成できないが、日雇派遣を解禁するのであれば、雇用管理、医療関連業務の適正実施の確保を求める。

 

派遣労働での課題(職業安定局の調査結果より※)
  • 契約の範囲外の業務を求められる
  • 労働時間管理が不適切
  • 指揮命令系統が不明確
  • 労働者の安全
  • 衛生面の確保 等

 

※厚生労働省職業安定局需給調整事業課(令和2年3月)「福祉及び介護施設における看護師の日雇派遣に関するニーズ等の実態調査」集計結果を参考にしている。

 

 

 

日雇いなどの短期派遣への看護師の懸念
  • 契約が細切れで収入が不安定
  • 派遣先にすぐ順応できない
  • 事故発生時に十分な補償がされるか
  • チームでの役割が発揮できるか 等

 

出典:公益社団法人 日本看護協会(2020年11月25日)
福祉介護施設の看護師業務について日雇派遣を可能とすることについての考え方

 

医療施設・福祉介護施設イメージ

 

日雇い派遣を解禁する場合は、下記5点の確保を求める
  1. 就業規則、処遇、業務内容など、適切な雇用管理の確保
  2. 日雇い派遣の看護師の業務は、入所者の日常的な健康管理業務の範囲内に限定されるようにする
  3. 派遣元による事前のオリエンテーションと、派遣先における必要な教育訓練
  4. 派遣先施設の利用者に混乱や不安が生じないよう、派遣先が必要な説明等を行う
  5. 適切な派遣実施を、労働局による監督指導等により確認する

出典:公益社団法人 日本看護協会(2020年11月25日)

 

 

新型コロナウイルスの影響で福祉介護施設や障害者施設などにおける看護師のニーズ、それに合わせた働き方は柔軟な対応が進められようとしている。

【大阪府】看護師派遣制度(休止病床の活用目指す)

大阪府が(2021年1月21日)発表した看護師派遣制度について見てみよう。

 

大阪府は、看護師不足で稼働できていない病床を軽症・中等症の新型コロナウイルス患者用の病床として活用するため、看護師の派遣を支援する制度を始めると発表した。

 

今回の看護師派遣制度では、患者を受け入れていない医療機関に対し、大阪府が看護師の派遣協力を要請。人材と派遣先の病院とのマッチングを図る。コロナ患者を受け入れていない医療機関などから看護師を募り、受け入れ病院に派遣することで病床拡充につなげるのが狙い。

 

派遣元の医療機関には、大阪府が人件費や協力金として1人あたり月約110万円を支給。医療機関からの派遣とは別に、大阪府看護協会が運営する「人材バンク」でも、看護師資格を持つ個人を募集して派遣する。

 

出典:産経WEST(2021年1月21日)