【医師転職】労働条件は書面で締結
前回の面接対策・条件交渉のところでも書きましたが、面接で労働条件、待遇について納得できる内容が決まったら書面で労働条件の内容を作成して確認し、締結することがトラブル回避には重要です。ここでは、一般的な労働条件の書面での締結と注意するポイントについて、厚生労働省のデータ等を参考にまとめました。
転職が決まり、いざ新しい職場で働き始めてみると・・・
「求人票の職務内容と違う。」など入職後に取り決めた条件が違うトラブルは絶対に避けたいですよね。
雇う側も雇われる側にとっても、時間をかけて打合せをして、お互いに納得した条件のはずが、実際に蓋を開けてみると違っていたりすると、両者ともに損失は大きくなります。
そうならないためにも、労使間で労働条件を取り決めた後、書面での確認・締結が重要になってきます。
【注意するポイント】求人票内容と労働契約内容の比較
まず、求人票の記載内容が、全く同内容でそのまま労働契約内容になるとは限らないので注意が必要です。
転職・入職前にもっと詳細を確認しておけば良かったと、後で後悔しないためにも、不明な部分や少しでも疑問な点があれば何度でも確認しましょう。そして、労使間で話し合って取り決めた内容を書面にしておくとトラブル回避に役立ちます。
労働条件通知書と雇用契約書
それでは、どんな書面があるのか見ていきましょう。雇用契約時によく使用されるのが、【労働条件通知書】と【雇用契約書】です。
法的に必須なのは、労働条件通知書です。
労働条件通知書の交付義務(労働基準法第15条第1項)の違反は30万円以下の罰金です。(労働基準法第120条)
労働条件通知書は、雇用主が一方的に労働条件を使用者に通知する書面で、主に使用者側の権利について書かれているものが多く、雇用契約書は、労使双方が署名捺印する必要がある。
【労働条件通知書】
雇用主が一方的に労働条件を使用者に通知する書面で、主に雇用主側の権利について書かれている。
労働基準法第15条を根拠法令としている
労働条件通知書の交付義務違反は30万円以下の罰金です。
【雇用契約書】
労使双方で署名、押印して雇用契約書を交わし保管するため、お互いの内容の確認がより明確にでき、業務にマッチした契約内容になっているケースが多い。
労働契約法第4条(労働契約の内容の理解の促進)
罰金はなし。
関係者の中には、一方的に渡す労働条件通知書より、労使双方で確認して署名捺印する雇用契約書のパターンのほうがベターだという意見もあります。
ちなみに、医師転職ドットコム(メディウェル)の場合は、労働条件書『採用及び就任承諾書』を転職する医師、医療機関、メディウェルの3者間で確認し、署名捺印するパターン。⇒転職する医師、雇用する医療機関もより安心と好評です。
厚生労働省の労働条件通知書(モデル様式)
労働条件通知書(モデル様式)
厚生労働省の労働条件通知書の項目内容を見てみましょう。
労働条件通知書の項目内容(例)
- 契約期間
- 就業の場所/従事すべき業務の内容
- 始業、終業の時刻、休憩時間、就業時転換、所定時間外労働の有無に関する事項
- 休日及び勤務日
- 休暇
- 賃金(基本賃金、諸手当、所定時間外、締切日、支払日、支払方法、労使協定に基づく賃金支払い時の控除、昇給、賞与、退職金)
- 退職に関する事項(定年制、継続雇用制度、自己都合退職、解雇事由および手続き)
- その他(社会保険の加入状況、雇用保険の有無、他)
※出典:厚生労働省データ
※この労働条件通知書はあくまで厚生労働省のモデル様式であり、この様式どおりとする必要はありません。
労働基準法第15条
使用者が労働者を採用する時は、賃金、労働時間その他の労働条件を書面などで明示しなければなりません。
【書面で明示して必要のある項目】
- 労働契約の期間
- 有期労働契約を更新する場合の基準
- 就業場所・従事する業務
- 始業・終業の時刻・休憩時間・休日・休暇・交替制
- 賃金の決定・計算・支払方法、時期・締切日
- 退職、解雇(事由、手続き等)
【雇用主側の任意で明示する項目】(口頭の明示でもOKの事項)
- 退職手当が適用される労働者の範囲
- 昇給に関する事項
- 退職手当の決定、計算・支払方法、支払時期
- 臨時に支払われる賃金、賞与、最低賃金
- 労働者側の負担になる食費・作業用品その他
- 災害補償、業務外の疾病扶助
- 表彰、制裁に関する事項
- 教育・研修等の訓練
- 安全・衛生に関する事項
- 休職に関する事項
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