医療事故調査結果(1) 日本医療安全調査機構2016年
医療事故調査結果(1) 2016年
今回のテーマは医療事故調査結果(2016年)について。日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)及び、厚生労働省データ等をもとに、月別の医療事故報告件数、都道府県別(累計・100万人あたり)、診療科別、開設者別にわけてまとめました。
■医療事故調査結果2016(1) ※今回のテーマ
一般社団法人 日本医療安全調査機構
日本医療安全調査機構 2016年(平成28年)年報
(H27年10月〜H28年12月迄のデータ)
■医療事故調査結果2015(2) >>詳細はこちら
公益財団法人 日本医療機能評価機構
日本医療機能評価機構 2015年(平成27年)年報
(H27年1月〜12月迄のデータ)
厚生労働省の用語の定義
【医療事故】
医療の場所で、医療全過程において発生する全ての人身事故で、下記の場合を含む。(医療従事者の過誤、過失の有無を問わない。)
(1)死亡、生命の危険、病状の悪化 等の身体的被害及び苦痛、不安等の精神的被害が生じた場合。
(2)患者が廊下で転倒し、負傷した事例のように、医療行為とは直接関係しない場合。
(3)患者についてだけでなく、注射針の誤刺のように、医療従事者に被害が生じた場合。
※医療過誤
医療従事者が医療の遂行において、医療的準則に違反して患者に被害を発生させた行為。(医療事故の一類型)
※出典:厚生労働省 リスクマネージメントマニュアル作成指針
医療事故報告件数 2016年(月別)
日本医療安全調査機構の2016年(平成28年)の医療事故報告件数を見てみましょう。
医療事故報告( 発生)件数
2016年は年間406件 (2015年10月〜12月:81件)
ちなみに2016年1年間の相談件数は1,731件だった。(2015年10月〜12月は597件)
出典:医療事故調査・支援センター 2016年・年報
医療事故報告件数 (都道府県別)
医療事故調査・支援センターによると、都道府県別の医療事故報告(発生)件数は、487件だった。期間:2015年10月〜2016年12月迄の累計
医療事故報告件数・都道府県別(多かった順にソート)
都道府県 |
医療事故件数 |
---|---|
東京 |
65 |
愛知 |
30 |
千葉 |
29 |
埼玉 |
27 |
大阪 |
26 |
神奈川 |
25 |
北海道 |
24 |
兵庫 |
24 |
福岡 |
24 |
茨城 |
19 |
※出典:日本医療安全調査機構 2016年・年報
※グラフと表は当サイト編集部で作成
都道府県別・人口100万人あたりの医療事故報告件数
次は、47都道府県別・人口100万人あたりの医療事故報告件数を見てみましょう。
都道府県別・人口100万人あたりの医療事故報告件数
※グラフは全国平均以上のデータのみ(下記の表は47都道府県)
都道府県 |
医療事故件数 |
---|---|
宮崎 |
10.0 |
島根 |
7.1 |
茨城 |
6.6 |
京都 |
6.2 |
大分 |
5.8 |
三重 |
5.6 |
山形 |
5.5 |
富山 |
5.5 |
秋田 |
5.0 |
佐賀 |
5.0 |
熊本 |
5.0 |
東京 |
4.8 |
新潟 |
4.8 |
千葉 |
4.7 |
福岡 |
4.7 |
北海道 |
4.4 |
兵庫 |
4.4 |
滋賀 |
4.3 |
愛知 |
4.0 |
広島 |
3.9 |
静岡 |
3.8 |
徳島 |
3.8 |
全国 |
3.8 |
福島 |
3.7 |
埼玉 |
3.7 |
長崎 |
3.6 |
沖縄 |
3.6 |
鳥取 |
3.3 |
群馬 |
3.0 |
大阪 |
3.0 |
神奈川 |
2.7 |
栃木 |
2.5 |
石川 |
2.5 |
岐阜 |
2.5 |
長野 |
2.4 |
奈良 |
2.1 |
山口 |
2.1 |
愛媛 |
2.1 |
和歌山 |
2.0 |
香川 |
2.0 |
鹿児島 |
1.9 |
青森 |
1.5 |
岩手 |
1.5 |
高知 |
1.4 |
山梨 |
1.3 |
福井 |
1.3 |
岡山 |
1.1 |
宮城 |
0.9 |
※出典:医療事故調査・支援センター 2016年・年報
※グラフと表は当サイト編集部で作成
100万人あたりの医療事故件数(都道府県別)の全国平均は3.8件でした。
平均より多かったのは20地域でした。多かった順から、宮崎 10件、島根 7.1件、茨城 6.6、京都 6.2件、大分 5.8件の順でした。
平均より少なかったのは27地域でした。少なかった順から、宮城 0.9件、岡山 1.1件、山梨 1.3件、福井 1.3件、高知 1.4件でした。
・対象期間:2015年10月〜2016年12月
・人口100 万人あたりの報告件数とは、報告件数/人口×100万で算出
・人口は「平成27年人口推計」(総務省統計局)
※出典:医療事故調査・支援センター
※グラフは当サイト編集部で作成
診療科別・医療事故報告件数
診療科別に医療事故報告件数を見てみましょう。
診療科別・医療事故報告件数
診療科 |
医療事故件数 |
---|---|
外科 |
77 |
内科 |
52 |
消化器科 |
38 |
整形外科 |
31 |
循環器内科 |
26 |
心臓血管外科 |
25 |
脳神経外科 |
20 |
産婦人科 |
19 |
小児科 |
16 |
泌尿器科 |
15 |
その他 |
15 |
産科 |
13 |
精神科 |
12 |
呼吸器外科 |
9 |
耳鼻咽喉科 |
8 |
神経科 |
6 |
呼吸器内科 |
4 |
歯科口腔外科 |
4 |
血液内科 |
3 |
リウマチ科 |
3 |
小児外科 |
3 |
婦人科 |
3 |
循環器外科 |
2 |
ペインクリニック |
1 |
皮膚科 |
1 |
合計 |
406 |
※対象期間:2016年1月〜12月
※出典:日本医療安全調査機構 平成28年・年報
※グラフと表は当サイト編集部で作成
診療科別・医療事故報告件数は、多かった科目から、外科 77件、内科 52件、消化器科 38件の順でした。
開設者別・医療事故報告件数
開設者別・医療事故報告件数をご覧ください。
開設者別・医療事故報告件数
開設者 |
医療事故件数 |
---|---|
国 *1 | 52 |
自治体 *2 | 92 |
公的医療機関 *3 | 48 |
法人 *4 | 210 |
個人 | 4 |
合計 | 406 |
*1 国 | 国立大学法人、独立行政法人国立病院機構、国立研究開発法人、国立ハンセン病療養所、独立行政法人労働者健康福祉機構 他 |
---|---|
*2 自治体 | 都道府県、市町村、公立大学法人、地方独立行政法人 |
*3 公的医療機関 | 日本赤十字社、恩恩腸財団済生会、北海道社会事業協会、国民健康保険団体連合会、厚生農業協同組合連合会 他 |
*4 法人 | 医療法人、学校法人、公益法人、会社 他 |
※対象期間:2016年1月〜12月
※出典:日本医療安全調査機構
※グラフと表は当サイト編集部で作成
開設者別・医療事故報告件数は、多かった順から、法人 210件、自治体 92件、国 52件の順でした。
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