全国医学部長病院長会議(AJMC)とは

全国医学部長病院長会議(AJMC)について〜全国医学部長病院長会議の設立、目的、組織構成、活動内容、日本医師会との関係等についてまとめました。

 

全国医学部長病院長会議TOPイラスト

 

 

全国医学部長病院長会議は、会員大学80大学および全国の医学部長、医科大学長、医学群長、医学類長、学校長、大学病院の院長、大学附属病院長、統括病院長、院長により構成されている団体(一般社団法人)です。

 

■80大学(国立42大学、公立8大学、私立29大学、防衛1大学)
各地区の大学は下記のようになります。

 

・東北・北海道地区 9大学(国立6、公立2、私立1)
・関東地区 27大学(国立8、公立1、私立17、防衛1)
・東海・北陸地区 11大学(国立7、公立1、私立3)
・近畿地区 12大学(国立4、公立4、私立4)
・中国・四国地区 10大学(国立9、私立1)
・九州地区 11大学(国立8、私立3)

全国医学部長病院長会議(設立・目的・組織)

全国医学部長病院長会議の設立、目的、事業内容、組織構成、歴代会長を順に見てみましょう。

 

■設立
1967年10月07日:全国医科大学会議(仮称)として設立(事務局を東京大学構内に設置)。その後、1967年10月14日に名称を全国医学部長病院長会議とする。

 

現在の事務局所在地:東京都文京区湯島1-3-11 お茶の水プラザ4F/会議室8F

 

 

■目的
医育機関における共通の教育、診療、研究の諸問題、関連する重要事項について協議し、理解を深めるとともに統一を図り、日本の医学・医療の改善向上に資することを目的とする。

 

■事業内容
・医育機関の教育、研究の振興及び診療の充実に必要な調査研究と情報の交換
・医育機関の教育、研究及び診療における相互の協力について必要な事業
・日本における医育機関の代表団体として、内外の医学教育に関連する団体との交渉及び情報の交換
・その他、この法人の目的を達成するために必要な事業

 

【具体的な活動】(一部抜粋)
・被災地健康支援連絡協議会参加
・医師臨床研修マッチング協議会協賛
・医学・歯学教育指導者の為のワークショップ協力
・医療安全全国共同行動参加
・大学病院の医療事故対策委員会
・医師偏在解消策検討合同委員会開催
・日本医師会、日本医学会、全国医学部長病院長会議・合同緊急記者会見開催

 

◎医療事故対策ガイドラインの資料抜粋
医療事故ガイドライン図
(出典:全国医学部長病院長会議の医療事故対策ガイドライン資料の例)

 

■組織構成(2016年7月現在)
◎執行部役員
・会長(1名)新井 一/順天堂大学 学長
・副会長(1名)稲垣 暢也/京都大学医学部附属病院 病院長
・顧問(4名)
・相談役(3名)
・理事(30名)
・監事(2名)
・その他に専門委員会やワーキンググループがある。

 

■歴代会長の大学と回数(多い順にソート)
歴代会長の大学と回数表
※出典:全国医学部長病院長会議HP 表は当サイト編集部で作成

日本医師会と全国医学部長病院長会議

全国医学部長病院長会議と日本医師会は、長く日本の医療を支えてきた権威ある団体である。

 

最近の出来事で特に印象に残っているのは、37年ぶりに医学部が新設された東北医科薬科大学。東北地区の復興支援のために重要な医学部の誕生と考えられるが、この医学部新設に対して、日本医師会と全国医学部長病院長会議は反対の立場をとり続けたことは有名である。

 

反対理由は、医師が増えすぎると医療の質が低下し、将来において医師余りになる。医師の偏在を先に解消すべきということのようでした。確かに、増えすぎた歯科医の例等を考えると理解もできるが、メディアでは既得特権を守ろうとしているのではという意見もあった。

 

2033年頃、医師不足が解消され、逆に医師不足から医師余剰になる。以前、厚生労働省発表データをまとめた医師の受給推計2040をご参照ください。